セールスフォースとはわかりやすく:2023年解説

Salesforce(セールスフォース)は、世界的に有名なCRM(顧客関係管理)ツールで、圧倒的なシェアを誇っています。しかし、なぜSalesforceがこれほど人気があるのか、その活用方法やメリットを知らない人も多いかもしれません。そこで、この記事ではSalesforceの機能と、その導入によって得られるメリットについて詳しく紹介します。CRMツールを導入検討中の方にとって、貴重な情報となるでしょう。

Salesforce_セールスフォースとはわかりやすく

Salesforceは、米国カリフォルニア州に本社を置くセールスフォース・ドットコム社が提供するCRMツールで、国内だけでも約5,000社、世界では15万社以上が導入している世界トップシェアのソリューションです。CRMとは顧客管理を指す言葉ですが、Salesforceは単なる顧客管理ツールに留まらず、営業支援や顧客サービス、マーケティングなど、企業のあらゆる部門で利用できる統合型CRMプラットフォームとして多彩な機能を提供しています。

Salesforceは、顧客情報を一元化し、部門ごとに分散したデータを統合・連携できるため、さまざまな業種や企業規模に対応できます。さらに、リアルタイムな情報共有やAIを活用したワークフローの自動化など、効率的な業務プロセスを構築できます。Salesforceの日本国内でのサポートは(株)セールスフォース・ジャパンが担当しており、日本のユーザーにとって英語のヘルプページを心配する必要はありません。

Salesforceの主要サービスと機能

Salesforceは様々なプロダクトやサービスを提供しており、それぞれの業務ニーズに合わせて活用できます。主要なプロダクトとその機能について紹介しましょう。

Sales Cloud

Sales Cloudは、CRMとSFA(営業支援)を組み合わせたクラウド型サービスで、見込み客の情報管理から商談の進捗管理、成約までの営業活動を効率化します。顧客の基本情報だけでなく、過去の取引実績や営業活動に関連する情報を包括的に記録できます。また、SNS情報とも連携可能で、顧客への理解を深めるのに役立ちます。

Service Cloud

Service Cloudは、顧客向けのカスタマーサポートを効率化し、高品質なカスタマーサービスを提供するためのプロダクトです。問い合わせ対応に必要な情報と対応フローを整備し、的確な回答や情報提供を通じて顧客満足度を向上させます。電話、メール、Webサイト、SNSなど、多様な問い合わせチャネルに対応し、情報連携をスムーズに行えます。また、ユーザーの自己解決力を高めるためのコミュニティも構築できます。

Marketing Cloud

Marketing Cloudは、顧客1人ひとりの属性やライフサイクルに合わせたマーケティングを実現するためのプロダクトです。顧客向けマーケティングのコンテンツを簡単に作成し、個々の顧客の行動をトラッキングして最適なタイミングでコンテンツを送信できます。また、SNSとの連携機能もあり、効果的なマーケティング手法を検討できます。

Salesforce Platform

Salesforce Platformは、自社に合った独自アプリケーションを開発するためのプロダクトです。社内向けの業務用アプリケーションや顧客向けアプリケーションを自由に開発でき、既存の自社Webサイトと連携させることも可能です。自社のニーズに合わせたアプリケーションを簡単に構築できます。

Salesforceのメリット

Salesforceを導入することで、以下のような多くのメリットが得られます。

営業活動の効率化

Salesforceを活用することで、営業スタッフの動きが可視化され、成果が上がっていない場合の改善点が見つけやすくなります。営業プロセスがスムーズになり、生産性が向上します。

営業ノウハウの共有

Salesforceは全スタッフの営業活動情報を共有できるため、成功したセールスプロモーションやノウハウを共有しやすく、部門全体の成果向上に寄与します。

教育コストの削減

新人教育や研修のための資料共有が容易になり、教育コストと時間を削減できます。また、自己解決が可能なトレーニング環境を整備することで、研修の効果も向上します。

顧客満足度の向上

Salesforceを活用して顧客情報を管理・共有することで、顧客ごとのニーズを把握しやすくなります。営業担当者の変動にも対応でき、一貫性のある対応が可能です。

社員評価の適正化

Salesforceの目標管理・進捗管理機能を活用することで、社員を適切に評価できるようになります。目標と実績のデータを分析し、効果的な評価を行います。

セキュリティ精度の向上

Salesforceはセキュリティに優れており、拡張機能のSalesforce Shieldを導入することでデータの暗号化が可能となり、セキュリティが強化されます。

自由度の高さ

Salesforceは多機能なプロダクトを提供しており、業種や企業規模に関係なく、最適な活用法を見つけやすいです。企業のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできます。

Salesforceのデメリット

システムに馴染むまで時間が必要

Salesforceを適切に活用するためには、システムに慣れる時間が必要です。データを入力し、機能を理解し、適切な使い方を覚えるには、従業員に対するトレーニングや導入期間中のサポートが不可欠です。初めてのユーザーにとって、Salesforceの操作や設定は簡単ではなく、この過程がデメリットとなることがあります。

データを活かしてこそ、Salesforceを活用する効果が見えてくる

Salesforceはデータ駆動型のツールであり、データを適切に活用することで最大の価値を提供します。しかし、導入直後はデータがまだ不十分な場合が多く、効果が直ちに現れないことがあります。データの蓄積や品質向上に時間がかかるため、初期段階では導入成果が限定的である可能性があります。

初期入力作業の煩雑さ

Salesforceの導入時には、膨大なデータをシステムに入力する必要があります。顧客情報、取引履歴、製品情報など、さまざまなデータを手動で入力する作業は煩雑で時間を要します。また、データの整合性を保つために慎重な作業が必要であり、入力担当者にCRMやSFAに関する基礎知識が必要です。

定着しにくい場合もある

Salesforceは詳細なデータ入力が可能であり、高度な分析や顧客フォローが実現できます。しかし、このためにはスキルと時間が必要であり、入力作業が追いつかない場合、導入成果が現れず、システムの定着が難しくなります。使いこなせないまま放置される可能性があります。

機能拡張により利用コストも増加

Salesforceは多機能なプラットフォームであり、必要に応じて機能を拡張できます。しかし、無計画に機能を追加すると、利用コストが増加する可能性があります。機能の追加にはライセンス費用やカスタマイズコストがかかるため、予算を超えることがあるでしょう。

Salesforceを導入する際には、これらのデメリットに対処するために以下のポイントを考慮することが重要です。

  • 導入の目的を明確にする: Salesforceの導入目的を明確にし、全社的に浸透させることが重要です。効果的なビジネスプロセス改善や業務の見える化を目指す目的を共有し、スタッフの協力を得ましょう。
  • 管理者を立てる: Salesforceの管理者を任命し、システムの適切な管理とスタッフへの指導を行います。管理者がシステムを活用し、その価値をスタッフに伝えることが重要です。
  • 定着支援を導入する: スタッフがSalesforceを使いこなせるようにするために、トレーニングやインセンティブを提供しましょう。スタッフの意欲を高め、システムの定着を促進します。

まとめ

Salesforceは、CRMツールとしてだけでなく、営業支援、カスタマーサービス、マーケティングなど幅広い業務に活用できる統合型CRMプラットフォームとして、多くの企業に支持されています。そのメリットは、営業効率化、営業ノウハウの共有、教育コスト削減、顧客満足度向上、社員評価の適正化、セキュリティ強化、自由度の高さなど多岐にわたります。ただし、導入にはコストやカスタマイズの複雑さ、データ整合性の確保などの課題も存在します。企業はこれらのメリットとデメリットをバランスよく評価し、Salesforceを適切に導入・活用することで、業務効率と競争力の向上を実現できるでしょう。


【会社概要】

社名:株式会社アイティエステック

本社所在地:〒140-0014東京都品川区大井1-6-3 アゴラ大井町3階

代表取締役:松本 洋平

事業内容: DXコンサルティング、システム開発、オフショア開発

HP:https://its-tech.jp/

ITS 編集部

当社の編集部は、IT業界に豊富な知識と経験を持つエキスパートから構成されています。オフショア開発やITに関連するトピックについて深い理解を持ち、最新のトレンドや技術の動向をご提供いたします。ぜひご参考になってください。