[コジーの今週気になるDXニュースVOL20240418-02] MIT~データベース指向の新OS「DBOS」–クラウド時代に対応する新たなアプローチ:ZDNET

「Linux」は長年にわたりクラウド上のサーバーに搭載されてきたが、クラウドが急激に拡大したこと、そしてLinuxがクラウド専用に設計されたものではないことを考慮すると、何かを変える必要があることは明らかだった。

その変化をもたらすのは、「Ingres」「PostgreSQL」「VoltDB」の開発に携わったMichael Stonebraker氏と、「Apache Spark」の生みの親でDatabriskの共同創設者/最高技術責任者(CTO)であるMatei Zaharia氏かもしれない。両氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)のチームと協力して、「DBOS」(別名「DataBase OS」)という革新的なOSを開発した。

DBOSの開発は2022年に始まった。DBOS Inc.の共同創設者であるPeter Craft氏とQian Li氏は最初のブログ投稿で次のように書いている。「次世代のOSはデータベース指向であるべきだと考えている。というのも、データベースは現代のコンピューティングの困難な問題を解決するために構築されているからだ。現在のデータベースは、ペタバイト規模のデータを管理でき、分散化されて、クラウドネイティブ化が進んでおり、きめ細かなアクセス制御と来歴追跡によるデータの保護と管理が可能だ。同様に重要なことに、VoltDBや『FoundationDB』といった現代的な分散型インメモリーデータストアは、極めて高速になりつつある。後で示すように、それらは従来のディスクベースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)では実行できない多くのOSサービスを効率的に実行できるほど高速だ」

両氏はさらに、以下の2つの原則に基づいたデータベース指向OSの構築を提案した。

すべてのアプリケーションとOSの状態が、分散データベースのテーブルに保存される。
状態には、データベーストランザクションによってのみアクセスできる。
このOSは以下の4つのレベルで構成されている。

ユーザーアプリケーション
ファイルシステム/スケジューラー/IPC/その他のOSサービス
分散DBMS
マイクロカーネルサービス
DBOSでは、OSのサービスが分散DBMSにおいてSQLでコーディングされる。これは、データベース管理システムをOS上のユーザー領域内で実行する従来の方法と大きく異なる。

創設者らはDBOSのプロトタイプの開発に成功した後、DBOS, Inc.の資金を確保した。このOSは現在、無料で試用できるほか、カスタムプランについて営業担当者に問い合わせることができる。新規アカウントを作成するには、Googleアカウントでサインインする。サインインすると「Getting Started」(はじめに)ページが表示され、次のように指示される。

SDKをダウンロードして「Hello, Database!」アプリケーションをコンピューター上で実行する(「SDK Quickstart」を参照)。
アプリケーションをクラウドに展開する(「Cloud Quickstart」を参照)。
DBOSのSDKは、「Ubuntu Linux」「macOS」「Windows」(「WSL」を使用)にインストールできる。「Node.js 20」以降が必要で、「Docker」を使用してアプリをOSに展開する。

DBOSの最大の利点の1つは、信頼性の高い実行だ。すなわち、アプリケーションが中断しても、止まったところから自動的に再開される。

ここで大きな疑問がある。企業はLinux依存から脱却して、クラウド中心のOSという全く新しいアプローチを採用することに関心を持つだろうか。
https://japan.zdnet.com/article/35217495/

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